二木屋@北浦和でランチの懐石料理&のざき牛ステーキ
2021年11月昼、埼玉県さいたま市中央区の懐石料理屋「二木屋」に行ってきました。
お店は、北浦和駅から徒歩10分ほどの立地です。
駐車場は、お店の周りに3か所あります。
この記事のもくじ
平日ランチ 御陵 8800円 3.7
平日ランチで一番グレードが高い御陵にしました。のざき牛のステーキが付きます。
ディナーや休日ランチも含め、一番安くのざき牛が付くのが御陵です。
はじめに、あん肝寄せ 割ポン酢が出てきました。あん肝のゼリー寄せではなく、あん肝を潰したペーストを固めた豆腐みたいな感じのものでした。ねっとりプルプルで美味い。
あん肝は久々に食べたので味自体忘れたのと、あん肝食べる時は食感や舌触りの方が目立つのであまり味を意識していなかったのでどんな味か忘れましたが、こちらのあん肝寄せからは確かに魚の風味を感じました。そういえばアンコウってこんな風味だったなと思い出しました。
ふき田舎煮は、蕗を甘辛醤油味で煮てあります。
創業者の祖母の100年前のレシピを再現したという一品。
程よく柔らかに仕上がっていて美味いですね。
味もしっかり甘辛醤油ではあるのですが、全く濃くなく薄味で上品です。
和の出汁も効いていて、上品ながらしっかり味に力があります。
前菜は、奥から榎木の真砂和え、蟹菊花寄せ、長芋ゆかり、烏賊雲丹焼、鮭昆布巻です。
真ん中の葉っぱの下には蒟蒻辛煮です。
真砂和えは思ったよりもずっと薄味で、薄味のたらこの仄かな味で榎木をいただきます。何とも優しい味わい。
菊と蟹肉のゼリー綴じは、出汁のゼリーで蟹肉が綴じてあり、和の出汁のゼリーと蟹肉の食感のコントラストが良いですね。菊の花が散らされて見栄えも良い。
山芋はサクサク食感にシンプルなゆかりの味わいがさっぱりで良い。
イカはウニ焼きということですが、上部がウニ色に染まっているイカで、ウニが乗っているとかではありません。ウニを出汁とかで溶いてイカの上部に染み込ませてあるのかな。
全体にほんのりと味がついていて優しい味わいなイカです。しっかり柔らかで美味いですね。
昆布巻きは格別で、昆布が柔らかで甘みをしっかり効かせた醤油味で、出汁も効いていて味わい最高です。中の鮭も崩れるようにホロホロに柔らかで、脂も乗っています。
毎年正月にはそこそこ高級な昆布巻きを食べますが、それとも比べ物にならないくらいにレベルの高い昆布巻きでした。
辛煮こんにゃくは、弾力のあるワイルドな蒟蒻を、お土産とかでよくある鷹の爪と醤油で漬けた定番の味ですね。
ただ、味の染み込み具合が強すぎずなんとも良い塩梅で、こんにゃくの食感もブリンとハードめで良い弾力で美味いのです。全体的に食感も味付けも高級感があります。
お椀は、牡蠣しんじょ、白舞茸の入った吸い物です。
牡蠣しんじょは柔らかふわふわで、特にアクセントになるものは入っていない、とにかく柔らかなものです。ほんのりと牡蠣の風味も感じる優しいしんじょです。
白舞茸はまあ普通の舞茸の味でした。あまり舞茸の香りはしないかな。
薄味の汁は、煮干しなどの上品な出汁が出ています。淡い薄味ながら力のある味わいです。
三つ葉と柚川の爽やかな風味が良いアクセントですね。
お造りはマグロ、カンパチ、イカでした。それぞれ小ぶりですが上質です。
マグロはハリがあり瑞々しい舌触りです。赤身と中トロの間くらいの部分で、しっかり濃いマグロの旨味があります。本鮪っぽい濃いマグロの旨味ですね。
カンパチはサクッとした強めの歯応えのものです。脂も乗っていてしっかりと濃いブリっぽい旨味があります。
イカはねっとり濃厚な舌触りで柔らかく、甘味も感じられる良いものです。上質なアオリイカみたいでしたね。
青のりをゼリーで綴じた口直しが付きます。
全てちょこっとずつ出てきますが、なぜか天ぷらだけはそこそこボリューミーでガッツリ出てきました。
海老天、アナゴ天をカットしたものが2切れ、ナス、シシトウ、舞茸、カボチャでした。
どれも際立って薄い衣という感じではないのですが、シャクッと上品な歯触りでサクサクに仕上がっていて上質です。
海老はしっかり太く、穴子も肉厚ながらふわっと上質な身でブヨブヨしていなくて美味い。
ナスは小さいけどふっくらジューシー、かぼちゃもパサつかず良い感じです。
煮物は、鹿児島産黒毛和牛角煮と聖護院大根を炊いたものでした。
大根はちょうど良い柔らかさに炊かれていて、浸っている淡い味わいの鰹出汁とよく合います。
肉の方は浸っている出汁で炊かれたというよりは別仕上げのようで、とろっとろに柔らかく煮込まれていて、崩れるというより文字通り蕩ける柔らかさです。牛でここまで柔らかな肉は久々ですね。
角煮には、煮込まれた際にほんのりと甘い味がついていて、この甘い味わいと、浸っている甘味のない鰹出汁が合わさると、格別の味のグラデーションです。
ビックリするくらいの一欠片のパプリカと、さやえんどうみたいな形状のインゲンも添えられています。
酢物は、シメジ、レンコン、ラディッシュ、江戸野菜の新取菜に、ゼリー状?ムース状?になった酢のタレがかかっていて、こちらを絡めていただきます。
ツーンとしないもののしっかり酢の酸味風味を感じるタレのバックには、出汁も使われているようなほのかな旨み風味もあります。少し変わった酢の物で面白いですね。
そしてメインの、のざき牛素焼きステーキ、ごはん、赤だし、漬物が出てきました。
ステーキはコースの中の一品なので軽いものですね。多分60から80グラムくらいですかね。5切れにカットされています。
ご飯は標準的な茶碗に普通に一杯くらいです。おかわりもできます。
自慢げに産地と生産者まで書いてあったけど、米の質といい炊き具合といいあまりに普通。
茶碗が小さな穴が無数に空いているユニークなものでしたね。
漬物は割としっかり濃い味に漬かっていました。
のざき牛のステーキですが、素焼きになっていて全く味がないので、別皿で出てきた塩か醤油でいただきます。自分好みに味を調整できたほうがいいですね。塩振らないで焼いたほうが美味く焼けるらしいし。
良い肉は塩が一番ですが、醤油も肉の旨みを邪魔しない感じのもので美味かったです。ワサビでいただくと最高ですね。
焼き加減はレアで、周りをしっかり焼いて中はほぼレアです。ステーキというよりもレアのローストビーフみたいな仕上がりですね。
ほとんどの部分が熱変性していないので、牛刺しのような舌触りと食感が楽しめます。中心部は温かくないくらいですからね。
流石に脂ののりがすごく、ガッツリ焼かれていないものの脂がジュワッと滲み出てくる感じ。
しかし、しつこさもなくクセもなく、良質な牛の旨みを味わうことができます。
柔らかさに関しては、十分な柔らかさですが、特別蕩けるような感じではありませんね。
むしろ一部ほんの少しだけ筋がありますが、全然気にならなく簡単に噛み切れるくらいに柔らかです。しっかり肉食べてる感はあるけど、柔らかで簡単に噛み切れるくらいのレベルです。
総じてすごく良い肉ですが、飛び抜けたような驚きまではないかなという印象でした。
なんとなくだけど一つ下の九州黒毛和牛のほうでもそこまで変わらないんじゃないかなという気がしました。
値段が結構違うので、九州黒毛和牛のコースの方が何となく満足度高そうな気がする。
最後に甘味とドリンクが出てきました。ドリンクはコーヒーや紅茶もありましたが、抹茶にしました。
デザートは、熊谷の五家宝と、安穏芋の羊羹です。
五家宝はまあ普通のゴカボですね。あのゴカボとしか言いようがない。埼玉県民なので食べ慣れています。
羊羹の方は爽やかに瑞々しくほろっと崩れる水羊羹でした。安穏芋が贅沢にゴロゴロ入っていてネットリしっとりで食感が羊羹と近いですね。
ほんのりとな甘味も羊羹と近く、なんだか一体となっているようでした。通常は中に入れるものはアクセントになるのだと思いますが、近い感じで一体となっている様がユニークですね。
2021年12月午後、埼玉県さいたま市中央区の懐石料理屋「二木屋」に行ってきました。
平日ランチ 鹿児島 4400円 3.8
前回は平日昼のコースの中で1番高いものを食べましたが、今回は平日ランチでステーキ付きのものでは1番安いものを頼んでみました。
平日ランチには、もっと安いステーキが付かないコースもありますが、こちらはステーキもウリなので、さすがにステーキ無しではねえ。
メニューを見る限り、これより一段階高い鎌倉5500円は、酢の物がプラスされて、お造りに湯葉がプラスされます。
さらに千円高い最上位の壬生6600円は、さらに天ぷらが追加され、造りのプラス分がホタテになります。
それぞれ千円プラスで一品追加+刺身が少しグレードアップする感じですね。
ちなみに壬生のステーキがのざき牛に変更されたものが前回注文した御陵8800円です。
そう考えると1番安いコースが圧倒的にコスパが良い気がします。ということでステーキ付きで1番安いのにしました。
先ずは、南京寄せ&ふき田舎煮が出てきました。
こちらのふき田舎煮は前回と同じものですね。淡い出汁で炊かれて、食感も良く美味いです。
寄せ南瓜です。前回はアンコウでしたが今回はカボチャですね。
上には杏仁豆腐みたいにクコの実が乗っています。
食感は前回同様にねっとりプルプル系の濃厚な胡麻豆腐みたいですが、味は確かに濃厚なカボチャです。
もちもちフルフルな食感ですが、確かにカボチャの食物繊維も感じますね。
今回も素晴らしく美味かったです。
小鉢はクリスマス仕様になっていました。
しかし、内容的に前回のコースよりも簡素な気がします。どうやらコースが変わると単に一品追加とかだけではなく、他の料理も変わってくるようですね。
なるほど一品追加+造りに一品プラスで1000円上がっていくのでは、上のコースほどお得感がなくなりますものね。そう考えると、単純に今回のステーキが付く中で1番安いコースが1番コスパが良い訳でもないのか。
真ん中の樅木に見立てた大根は、程よい炊かれ方で食感良く、ジュワッと出汁が染み込んでます。青のりの風味が濃厚で、和の出汁と合わさり美味いです。
甘い丸十の星、酢漬け蓮根で作られた雪も添えられて、まさにクリスマス仕様ですね。
手前がクルミですね。
時計回りに次がカマス南蛮で、柔らかな身で美味いですが、まあ普通に南蛮漬けだなと。
次がアンコウの煮凝りで、バラバラに解されたアンコウの身や皮が入っていて、アンコウの風味もして美味い。
奥の赤株寿司は、薄い酢漬けの赤蕪を寿司にしてあります。
クワイは柔らかサクッとした食感に仕上がっています。その手前にはカシューナッツ。
牛蒡有馬煮は、太い牛蒡が和切りになって良い食感に煮られています。
最後に干し柿を潰して巻いてあるものです。味はまんま干し柿ですが、洒落ていますね。
全体的に洒落てはいるのですが、内容的に前回のものよりかなり簡素な印象でした。
ナッツ類をはじめ、手の込んだ創作系よりも素材を生かした自然系の品が多い気がします。
続いてお椀ですね。もずくしんじょのお椀です。
もずくしんじょというほどにはもずくが入っておらず、魚介系のしんじょに模様程度にもずくが散らされた感じで、味も食感ももずく感は皆無です。フワッと柔らかなすり身のしんじょで美味いですけどね。
白魚を揚げたものや、コリコリした薄い白木茸なども入り、バラエティ豊かですね。
淡くしっかりした出汁に三つ葉やゆず皮も浮かび、良い味です。
お造りは前回と同様にマグロとカンパチですね。
前回のは1番高いコースだからもう一品イカもありましたが。
今回も素晴らしいクオリティの刺身ですね。
マグロは、ハリがあり瑞々しく、きめ細かい舌触りで柔らかで、食感が素晴らしい。
しっかりと濃いマグロの旨味もあります。
カンパチもサクッとした良い食感をしていますね。
脂もしっかり乗っていて脂の旨味があります。
お造りはハズレのないクオリティです。
煮物は、前回と同じ蕪、カレイの生姜煮、栗麩ですね。
ほんの破片のパプリカとインゲンが添えられているのは前回と同じ。
蕪は相変わらず素晴らしい炊き具合で出汁が染みてます。
カレイはどれだけデカいカレイなんだというほどの肉厚な身で、脂が乗っていてトロッと柔らかな身で崩れます。別で生姜煮にして後入れだと思いますが、それほど生姜感は無いかな。
栗麩は、栗が練り込まれている生麩ですね。生麩らしいフワフワモチッとした食感に、栗の風味が入って大変に美味いです。
浸かっている出汁も淡く上品で良い感じですね。
そして真打のステーキとご飯、味噌汁、漬物が出てきました。
ご飯と赤出しステーキの量的には前回のと変わらないくらいですね。60から80グラムくらいかな。
見た感じ前回ののざき牛とあまり差がありませんね。
5切れに切れています。
今回もレアぐらいの焼き加減です。周りは一層カリッと香ばしく焼かれている感じです。
肉質は正直のざき牛との違いをあまり感じませんでした。
すごくレアなのに素晴らしく柔らかです。
中心まで熱々という感じの焼き方ではなく、どちらかというとローストビーフみたいな感じですが、脂が硬くなっている感じがなく、肉と脂の風味や旨味を存分に味わえます。
とても柔らかで、濃厚な脂身もしっかり刺していて、素晴らしく美味いですね。
今回のコースのが値段半分なこともあり、満足度で言えば今回のが確実に上です。
正直、のざき牛と九州黒毛和牛の違いをあまり感じられませんでした。
同時に食べれば分かるのかもしれませんが、正直なところ九州黒毛和牛で十分すぎるほど美味いので、これ以上は必要ないと感じました。
最後に甘味が出ます。このコースはドリンクは付かないので、緑茶が出てきました。
ゴカボは前回と同じで、羊羹の方は柚子羊羹でした。
白餡の水羊羹に柚子の爽やかな風味が香ります。ザクロが一粒乗っていますね。
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