中国料理 quan @御殿場市で「四川の陳麻婆豆腐」と汁なし担々麺

2015年10月夜、静岡県御殿場市の四川料理屋「中国料理 quan」に行ってきました。

お店は、御殿場駅から徒歩15分ほどの立地です。
駐車場は、お店の前にあります。

汁なし担々麺　864円　3.8

閉店まで1時間の余裕がありましたが、目の前で準備中の札が・・・
慌てて入れるか聞くと、今日はご飯がなくなったので麺類なら可能とのことで、なんとか入店。
麻婆豆腐が人気との事だったので迷いましたが、ご飯がないので麺にしました。

汁なし担々麺がオススメだというので注文！
出てきて、タレがかかっていないなと思ったら、底に沈んでいました。
上にはナッツ類や挽肉、モヤシなど、汁なし担々麺の定番具材が盛られています。

そして、底に沈んだタレと絡めるとこんな感じ！思ったよりも油が少なく、黒っぽい色ですね。
麺は中細のラーメンのような中華麺で、ボリュームはそれほど無さそうです。

しかしまあ、これが美味かった。
ナッツ類や胡麻類の存在感はそれほどないものの、豆味噌と醤が生み出す絶妙の味付けが素晴らしい。

なんというか良い意味で薄味なのである。四川料理というと辛くて塩分濃度が高くてどぎつい味ですが、こちらは非常にマイルドな味の四川料理です。

しっかり花椒の存在を感じるのですが、舌が痺れない。花椒の風味をギリギリ感じるくらいに抑えていて、麻味で舌がビリビリ痺れるまでには至らないのです。

これが素晴らしくて、実にマイルドな四川料理になっています。
四川料理は麻味で舌が痺れると、舌が塩分に敏感になってしまい、
後半しょっぱくて食べられなくなりがちですが、この店は全くそういうことがない。
最後まで実に美味しく食べられました。

四川料理ということで辣味と麻味の力技で押すのではなく、しっかり美味しく作られていました。
強烈なインパクトはないものの、非常に完成度が高い、優しい味の四川料理でした。

鶏の唐揚げ唐辛子炒め　972円　3.9

麻婆豆腐が食べられなくて心残りでしたが、なんと持ち帰りもできるそう。
ということで、麻婆豆腐ともう一品鶏の唐揚げ唐辛子炒めをテイクアウトで注文しました。

揚げて炒めた系は時間が経つと味の劣化が激しいので、
味を確かめておくために店を出てすぐひとつまみ食べてみました。
うまーーーい！これは美味いぞーーー！

カリッと揚げられた鶏肉に、唐辛子の辣味と花椒の麻味が微かに効きます。
勝手に、四川料理にありがちな、下味つけて素揚げにした鶏肉を、丸ごとの唐辛子と甘辛タレで炒めたものだと思っていましたが、少し違いました。

しっかり、スパイスと調味料で味付けされた鳥の唐揚げを、唐辛子と花椒と油で炒めることで四川の風味を加えたものでした。

したがってタレの味で食べるのではなく、唐揚げ自体に味が付いていて、そこに辣味と麻味の移った油が添加され、四川風の唐揚げに生まれ変わっています。

いやこれ揚げたては半端なく美味いですわ。勢いで全部食べそうになりましたが我慢して持ち帰りました。4時間後帰って残りを食べましたが、味の劣化が著しすぎる。やはり持ち帰る料理じゃないですよね。

本場四川の陳麻婆豆腐　1242円　3.8

そして真打ちの麻婆豆腐です。ご飯を用意して、温めてから食べました。
汁なし担々麺と唐揚げ唐辛子炒めで期待マックスになっていたのですが、
食べてみると、あれインパクトがない？

今まで色々な四川麻婆豆腐のお店で食べてきて、自分でもよく作るのですが、
これはなんかパンチに欠ける味です。
塩分濃度控え目で、辣味と麻味も控え目、おまけに味噌感も控え目なタイプです。
たっぷりのご飯でいただこうと思ったのですが、どうもインパクトに欠ける。

普通以上に美味いことは美味いのですが、陳麻婆豆腐や陳建一麻婆豆腐店などなど、
有名店で食べるような辛さと塩分がガツッと来る感じがないのです。

美味いは美味いがそんな絶賛される程でもないのでは・・・と思いましたが、
後半明らかにこの麻婆豆腐の力を思い知らされました。
いつもは後半麻痺した舌でショッパすぎる麻婆豆腐を食べ、飽々してくるのですが、
これはそんなことがない。後半でもスルスル美味しく食べられるのです。

四川料理としては優しい味付けなので、途中からご飯で食べるのをやめたのですが、
それでも全然塩辛すぎないのです。むしろ美味い！
辣味と麻味、塩分共に、日本人好みに合わせてマイルドになっているため、
たくさん食べても本当に食べやすいです。

それでいて、豆味噌の旨みとコクはしっかりと効いているので、味に深みがあります。
後半ご飯で薄めずに食べて、初めてこの美味しさが分かりました。

他の料理もそうですが、辣味・麻味・塩分を抑え気味にすることで、非常に優しい四川料理です。
私はゴリゴリに味に癖がある本格的なものが好きなつもりでしたが、
マイルドな四川料理の威力にハマってしまいました。いやはや素晴らしかった。

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